LPAQ&A

皆さんからお寄せ頂いたご質問をその回答と共に以下にご紹介します。今後も新たなご質問が有りましたら随時追加して行きます。皆さんの参考にして頂ければ幸いです。

1 (Question)
今3人のAttorneyを考えていますが何人が適当なのでしょうか。又、一度Attorneyを決めてサインをした後、Attorneyを変更する事は可能ですか。
 (Answer)
Attorneyは一人でも複数名でも可能で、複数名の場合は、全員が合意する必要があるJoint Attorney と、複数名の内一人のAttorneyが単独で判断出来る Joint and several Attorneyがあります。Attorneyを変更する場合は、LPAを新たに作成し、登録し直す必要があります。複数名の内あるAttorneyを除外する場合は、LPAを作成し直すのではなく、OPG (Office of the Public Guardian)での変更手続きで修正可能です。予備としてReplacement Attorneyを記載しておくとAttorneyの変更も簡単です。詳しくはこの終活ウェブの英国のLPAのページ(こちら)をご参照下さい。
2 (Question)
英国に親族が居ないので英国在住の若い友達をAttorneyにお願いする積りですが、日本に居る甥を共同でAttorneyに指定する事は出来るでしょうか。
 (Answer)
Attorneyは必ずしも英国居住者で無くても構いませんので、日本居住者をAttorneyに指定する事は可能です。但し、LPAにその方の署名が必要ですし、実際にAttorneyとして役割りを果たして頂く事態になったら、Joint AttorneyかJoint and several Attorneyかでそれぞれの必要な判断・行動をして頂く事になります。
3 (Question)
知人のケースで二人のAttorneyが居り、その内の一人のAttorneyが主に資産管理を行っていますが、そのAttorneyが資産を不正流用しているのではとの疑いがあります。どの様に対応すれば宜しいですか。更にそのAttorneyには会計報告の義務は有りますか。第三者がそのAttorneyの行為に疑義を挟む事は出来ますか。
 (Answer)
その様な場合、OPG (Office of Public Guardian)に相談される事をお勧めします。OPGは、Attorneyが忠実・誠実にAttorneyの業務を行っているか監査する権限があり、必要に応じて警察に通告する事も出来ます。詳しくは終活ウェブの英国のLasting Power of Attorneyのページ(こちら)をご覧ください。
4 (Question)
私は今は心身共に健康ですが、向う数年間LPAを作らない場合のリスクは有りますか。どの様な時にLPAが無ければ困る事が想定されるのですか。
 (Answer)
ご自身が自分で判断出来なくなると言う状況は、認知症のみならず、脳・心臓の病気、又は交通事故でも意識不明状態になる事もあり得ます。もしその意識不明状態が長引きますと、その人に代わって家族・親戚でも銀行取引、施設に入居、不動産を処分等の契約を代行する事は出来ません。その様な場合は裁判所によってDeputyと言う代理人が指名されますが、その手続きに時間と数千ポンドの費用が掛かります。しかし、事前にLPAが準備してありますと、Attorneyによる代理行為がスムースに可能になります。詳しくはこの終活ウェブの英国のLPAのページ(こちら)を参照下さい。
5 (Question)
LPAが無い場合で万が一の場合、裁判所がDeputyを指名するとの事ですが、そのDeputyは英国在住の方になるのですか。
(Answer)
裁判所はその本人の近親者とヒアリングをしてどなたがDeputyとして最適か決めますが、やはり英国在住の人が指定される事になると思います。Deputyに指名されますと、一部費用をデポジットとして前払いしたり、定期的に裁判所に報告する義務がありますので、日本在住の方には負担が大きいのではと思います。
6 (Question)
LPAに3名のAttorneyを定めている場合、その3名のAttorney がJoint Attorney であろうと、Joint and several Attorneyであろうと、どなたか一人が亡くなった場合は、LPAはもう一度作成し直さなければならないのですか。
 (Answer)
はい、その様に3人 Joint 又は Joint and several Attorneyに指名されていてどなたか一人が死亡しますと、そのLPAは無効になります。その様な時の為にReplacement Attorneyを指名しておく事も一案です。
7 (Question)
Age UKが提供しているもので、私はAdvanced decision to refuse treatment と言う書類を準備したのですが、これはHealth and welfare LPAの事ですか。
 (Answer)
Age UKのサイト(こちら)を確認しましたが、あなたが作成したAdvance Decision という書類は、Health and welfare LPAとは異なる、日本語では終末期医療事前指示書(Living Will)と言うものだと思います。それは、ご自身が終末期の自分の治療方針について事前に医療関係者への指示を書類として残しておくもので、記載事項はかなりHealth and welfare LPAと重複する部分があります。しかし、Advance Decisionは、延命治療を望まないと言う命に係わる項目が含まれていない限り証人の署名は必要ありませんし、Attorneyも指定されて居らず、OPG (the Office of Public Guardian)に£82を支払って登録する必要もありません。もしあなたがAdvance DecisionとHealth and welfare LPAの両方を作成して、内容に食い違いがある場合は日付の新しい方が優先されます。詳しくは、この終活ウェブの終末期医療事前指示書のページ(こちら)をご覧ください。
8 (Question)
英国のLPAに相当する日本の制度の名前は何で、それは日本で法制化されていますか。
 (Answer)
英国のLPA制度に相当する日本の制度は成年後見制度と呼ばれており、法制化されています。詳しくは、この終活ウェブの成年後見制度のページ(こちら)をご参照下さい。
9 (Question)
私の知人で英国在住の日本人が、日本在住の二人の姉妹をLPAに指定したのですが、そのAttorneyとなった二人の姉妹は英語が話せないのですが、何かアドバイスは有りますか。
(Answer)
その二人の姉妹が英語が分からないとの事でしたら、Attorneyをその二人の姉妹では無く、英国のSolicitorに変更される事をお勧めします。その方が経費は掛かりますが、物事がスムースに進むと思います。英語の分からない日本の姉妹がその様な事態になった時に、Attorneyとしての役割をこなすのは大変なのではと心配します。
10 (Question)
Health and welfare LPAで、本人が不治の病に罹った場合は延命治療を望まない・拒否すると記載したとしても、英国では本人の希望に基づいて延命治療をせず、医師が安楽死・尊厳死をさせる事は法的に認められていますか。
(Answer)
世界で尊厳死が合法化されている国は、スイス・米国・フランス・ドイツ・デンマーク・台湾で、安楽死が合法化されている国は、オランダ・ベルギー・ルクセンブルグ・米国の一部の州(オレゴン州・ワシントン州・モンタナ州・バーモント州)が有ります。しかし、英国では尊厳死・安楽死が合法化されておらず、本人の望みに従って延命治療をしないと言う事が自殺幇助として犯罪行為となり懲役14年の可能性もあります。とは言え近年個々の実際のケースとして尊厳死を認める様に裁判所に訴え、それが認められたり認められなかったり様々です。詳しくは、この終活ウェブの尊厳死のページ(こちら)をご覧ください。
11 (Question)
Health and welfare LPAで指定されたAttorneyの意見と本人の主治医のGPとで意見が食い違った場合はどうなるのですか。
(Answer)
勿論本人の主治医であるGPの医学的な見地からの意見は尊重されなければなりませんが、治療に対する最終判断はAttorneyがLPAに記載されたPreferenceやInstructionに基づいて本人の最大の利益の為に判断する事が求められます。
12 (Question)
英国で、どのくらいの方がLPAを作成しているのですか。
(Answer)
英国では遺言書は約4割の方が作成していると言われていますが、LPAを作成している方は遺言書に比べてずっと少ないと思われます。その理由は、死は必ずどなたにも訪れますが、認知症や長期の意識不明は必ずしも皆さんがその様な状態になる訳でもありませんし、LPAと言う制度自体の認知度が低いと言うのも一因ではと思われます。
13 (Question)
LPAのOPG (Office of Public Guardian)への登録料は一件当たり£82と聞きましたが、LPAの作成を弁護士事務所に依頼すると費用はどの位掛かりますか。
(Answer)
安い所で一件当たり£200、高い所で£500‐600位かと思います。安い所は、本人(Donar)、Attorney、Certificate Provider、People to Notify を記入して終わりの所も有ったり、料金の高い所はそれなりに本人とのディスカッションに時間を割いて、本人の色々な希望を聞いてそれを丁寧にLPAのPreference やInstructionに反映してくれます。一方、インターネットでご自分で入力してLPAを作成したり、フォームをダウンロードして手書きで作成する事も可能です。その場合はLPAの作成手数料は掛かりません。
14 (Question)
私は、LPAに第一Attorneyは夫、Replacement Attorneyは友人に頼む予定です。友人へは私の家を売って、その数パーセントを手数料としてもらって欲しいと思っています。いくら友人に支払うのが妥当なのか、何か他の方の例など御存知でしたらアドバイスを頂けないでしょうか。
(Answer)
友人のLPAのAttorneyへの謝礼を、家の売却代金の数パーセントをお考えになっているとは凄いですね。専門のコンサルタントの方とも確認しましたが、そのLPAのAttorneyへの謝礼は、法的な観点からも非常に慎重な検討を要します。本来、LPAのAttorneyに支払う報酬は、弁護士等の専門家に依頼する場合は契約書にその報酬は明記されます。それを業務としない家族・知人・友人にAttorneyになって頂く場合は、原則は善意で実費精算です。それを、家の売却代金の数パーセントという法外な謝礼・報酬は、通常では無いと思います。その謝礼・報酬をあなたがいつの時点で支払うお積りか、LPAのAttorneyに署名をした後か、実際にAttorneyになってもらった後か、あなたの死亡時かで、色々法律上の制約が有ります。LPAにAttorneyへの報酬を明記するには、それが法的に許されるか調べる必要があります。とは言いながら、あなたが健全な精神の状態で、ご自身の資産をその方に贈与する、又はその方に遺言書に遺産の一部を分ける様に明記すると言う選択肢も有るかと思います。Attorneyは本人に代わって資産管理を任されますので、余程信頼のおける方に依頼しないと、あなたの資産を私的流用されるリスクもあります。その辺を考慮して、是非専門家によくご相談される事をお勧めします。