日本の遺言書

日本の遺言書には、以下の自筆証書遺言書、公正証書遺言書、秘密証書遺言書の三種類が有り、それぞれの作成方法・メリット・デメリットは以下の通りです。

自筆証書遺言書 作成方法
遺言者がその全文・日付け・氏名を自署し、押印する。
メリット
本人が自筆が出来、印鑑が有ればいつでも作成可。手続き不要、費用掛からず。書き直し・書き方も自由。
デメリット
書き方を間違えると無効になるリスク有り。本人死亡後、家庭裁判所での検認要。封印の有る遺言書の開封は、家庭裁判所での相続人・代理人の立ち合い要。減失・偽造・変造の恐れ有り。
公正証書遺言書 作成方法
遺言者が公証役場の公証人に遺言内容を伝え、公証人に遺言書の作成を依頼する。
メリット
遺言書として無効になる事は無い。家庭裁判所での検認不要。改竄の恐れ無し。
デメリット
作成に時間が掛かる。費用が掛かる(数千円から数万円)。証人2名の立ち合い要。
秘密証書遺言書 作成方法
遺言者が自分で書いた遺言書を公証役場に持って行き、間違いなく本人のもので有る事を明確にしてもらう。
メリット
遺言書が本人の者である事を明確に出来る。
デメリット
公証人は遺言内容を確認しない為、不備が残る可能性有り。本人死亡後、家庭裁判所の検認が必要。手数料1万1千円掛かる。

総合的に考えて、時間や費用は掛かりますが、公正証書遺言書がお勧めです。

 

法定相続人の遺留分の取扱い

日本の民法では、配偶者、子又は孫、父母までの法定相続人に対して、遺留分と言う法律上保証された相続権が有ります。 そして、遺言書にそれらの法定相続人の相続分が無かったり、少なかった場合、それらの法定相続人は、以下の遺留分を請求する事が出来ます。

*配偶者、子又は孫は相続財産の1/2
*配偶者、子又は孫が居ない場合、父母は相続財産の1/3

遺留分は、相続発生(被相続人の死亡)を知った日から1年以内に請求しなければその権利は消滅します。 そして、相続発生(被相続人の死亡)から10年で時効になります。 どちらにしましても、無用なトラブルを避ける為にも、遺言書は法定相続人の法律で保証された遺留分を考慮して作成する事が望まれます。

相続と遺言

日本の婦人友社発行の「明日の友」2019年8-9月号で、”争族”にしない相続と遺言のヒントと言う特集が有りました。遺言用意で心は爽やか、遺言書が有って良かった・無くて困った、大変だった遺産分割、相続の仕組みと遺言書の活用、押さえておこう相続の基本、ここが変わった法改正、もめない為には遺言書の書き方、大変だった叔父と父の相続手続き、トラブルにならない為に、遺贈は未来へのギフトのテーマの特集です。参考にして頂ければ幸いです。(こちら